二度の出戻りと経営失敗を経てスポーツバー開業を目指し再挑戦
J・H(25歳)
19歳で飛び込んだ出張ホストの世界
自分は現在25歳で、出張ホストとして働いています。ただ、この仕事をずっと続けているわけではありません。実は今回で二度目の出戻りなんです。
最初に入店したのは19歳の頃でした。当時の自分はとにかく元気だけが取り柄で、「面白そう」と思ったことにはすぐ飛びつくタイプでした。そんな自分にとって出張ホストの仕事は驚くほど相性が良く、お客様との会話も楽しくて、毎日が文化祭の延長みたいな感覚でした。気付けば同世代ではなかなか見ないくらいの収入を得られるようになり、財布に余裕ができると気持ちにも余裕が生まれました。今思えばかなり調子に乗っていましたが、その頃は本気で「自分は何をやっても成功できる」と思っていたんです。
若い頃特有の根拠のない自信だったのかもしれません。ただ、その勢いがあったからこそ、後の挑戦にもつながったのだと思います。
22歳でガールズバー経営に挑戦
出張ホストとして順調に稼げるようになった自分は、22歳の時に大きな決断をし、オタク向けのコスプレ系ガールズバーを開業しました。
アニメやゲームが好きなお客様が気軽に楽しめるお店を作りたいと思い、コンセプトや内装にもかなりこだわりました。オープン前は夢しかありませんでしたし、自分の店を持てることが純粋に嬉しかったんです。周囲からも応援してもらい、「これは絶対に成功する」と本気で信じていました。
ところが実際に経営を始めてみると、想像していた世界とは全く違いました。お客様は来てくださるものの、利益がなかなか残りません。家賃、人件費、広告費、備品代など、次から次へと支払いが発生します。「売上があるのにお金が残らない」という経営の難しさを、この時初めて知りました。
資金繰りに追われたダブルワーク生活
経営が苦しくなってくると、一番優先しなければならないのは従業員やキャストへの給料です。自分はその支払いだけは絶対に守りたいと思っていました。
そこで再び出張ホストとして働くことを決意しました。昼は店の運営、夜は出張ホストというダブルワーク生活です。かなり忙しかったですが、若かったこともあり気力だけで走り続けていました。「もう少し頑張れば何とかなる」と自分に言い聞かせながら働いていたんです。
しかし現実は甘くありませんでした。努力だけでは埋められない部分もあり、最終的にお店は閉店することになりました。閉店の日は悔しさもありましたが、それ以上に経営の難しさを痛感した出来事でした。今なら「あの頃は無茶していたな」と笑えますが、当時はかなり落ち込みました。
懲りずに再び独立へ挑戦
普通ならそこで大人しくなるのかもしれません。しかし自分は良くも悪くも諦めが悪い性格です。
再び出張ホストとして働きながら資金を貯め、「もう一回勝負しよう」と考えました。そして声を掛けたのが、地元の土建屋で働いていた友人です。現場経験も豊富で人望もあり、自分にはない強みを持っていました。「こいつと組めば上手くいく」と本気で思ったんです。
実際、スタートは順調でした。仕事も増え、従業員も増え、気付けば5人の従業員を抱える会社になっていました。売上も安定し始め、自分は完全に成功した気分になっていました。今思えば、その時点で少し危なかったのかもしれません。
会社崩壊と人生最大の反省
会社が軌道に乗り始めると、自分は少しずつ現場から離れるようになりました。友人が優秀だったこともあり、「任せておけば大丈夫だろう」と考えていたんです。
最初は仕事の一部を任せるだけだったのですが、気付けばほとんどを任せるようになっていました。自分は遊びに出掛けることが増え、経営者として本来向き合うべきことから目を背けるようになっていました。
そしてある日、そのツケが一気に回ってきました。友人が従業員を引き連れて独立したんです。気付いた時には会社の主力メンバーがほとんどいなくなっていました。
当時はショックでしたが、冷静に考えれば当然の結果だったと思います。従業員との関係づくりも、会社の方向性も、全て友人任せになっていたからです。まさに身から出たサビでした。
会社も従業員を失い、さらには恋人も失う。今振り返っても、あの時期が人生で一番どん底だったと思います。ただ不思議と誰かを恨む気持ちはありませんでした。「全部自分が招いた結果だな」と思えたからです。もちろん後悔はたくさんありました。それでも、自分自身を見つめ直すきっかけになったことは間違いありません。
二度目の出戻りで見えた課題
そうして自分は再び出張ホストへ戻ることになりました。二度目の出戻りです。さすがに三回目ともなると慣れた部分もありましたが、今回は以前とは違いました。働きながら、自分の将来について真剣に考えるようになったんです。
自分には経営の才能がないのだろうか。会社員として経験を積んだほうが良いのだろうか。そんなことを何度も考えました。しかし考えれば考えるほど、自分は接客業が好きだという結論にたどり着きました。お客様と直接関わり、人に喜んでもらう仕事にやりがいを感じるんです。そして正直な話、人に使われる仕事を何十年も続ける姿もあまり想像できませんでした。
スポーツバー開業という新たな目標
そこで今、自分が目指しているのがスポーツバーの経営です。ただし今回は以前と同じ失敗を繰り返したくありません。現在はキャストとして働く時間を減らし、キャスト兼黒服として裏方業務にも積極的に関わっています。シフト管理、キャスト教育、売上管理、スタッフとのコミュニケーションなど、以前の自分が軽視していた部分を徹底的に学んでいます。
こちらのお店は老舗店ということもあり、教育制度や管理体制が本当にしっかりしています。毎日のように新しい発見があり、「こういう仕組みがあるから長く続くんだな」と勉強になることばかりです。
20代のうちにもう一度勝負したい
失敗しても何とか立て直せるのは、きっと20代だからこそだと思っています。だからこそ今のうちにもう一度挑戦したいんです。ガールズバー経営の失敗も、会社経営の失敗も、当時は本当に苦しかったです。でも今になって振り返ると、どちらも必要な経験だったと思えます。もし最初から成功していたら、自分はもっと調子に乗っていたかもしれません。次に独立する時は、人任せにせず自分自身がしっかり現場に立ち続けたいと思っています。そしてお客様にもスタッフにも信頼される経営者になりたいです。
遠回りばかりの人生ですが、それも自分らしいのかもしれません。二度の出戻りも、二度の失敗も、全部ひっくるめて今の自分があります。いつか自分のスポーツバーをオープンして、お客様で賑わう店内を見ながら「あの頃はいろいろあったな」と笑える日を目指して、毎日がんばっています。
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