A・R（20歳）

子役から芸能生活しています

僕は6歳のときから親にオーディション受けさせられて芸能事務所で子役していました。中学出るくらいまでは結構いろんなドラマとか出させてもらっていました。まあ台詞は一つ二つですが。

ただ最近では仕事が減ってきて、ほとんど俳優の仕事では食えなくなってきました。最終的には地方番組の食レポとナレーションみたいなものだけが残っているような状態で、バイトもしながらの生活だったので、さすがにこれはキツいな、と思って社長に相談しました。

結果、「うちで育ててやるのはもう限界かな」と言われたので、どうしようかなと僕も今後のことに迷っていました。何せほとんどこれ一本できたので、大学も出ていないし、今さら一般企業とか頭がついていかないんじゃないか、と…。そんなときに、端役で決まった東京の仕事のプロデューサーが、このお店のオーナーの知り合いで、「うちで仕事してみたら？」と誘ってくださったんです。

出張ホストの仕事自体はすんなりできました

そんな経緯があってやってきた新宿の出張ホスト店ですが、当初「緊張するな」とちょっと不安に思っていましたが、働き始めてみると意外とすぐに不安は解消されました。自分も子役からかなり場数を踏んできたので、やっぱり度胸みたいなものは自然とついているみたいです。

こういうとなんだか余裕かましているみたいですが、ほとんどのお客様とは最初から自然な感じで接することができました。少なくとも不快感を与えるようなことはなかったと思います。身奇麗にしておくことや、常に相手の目を見て話すようにとか、そういうコミュ力の基礎は僕の中に最初からあったもので、それをそのまま使ってうまく仕事ができました。

ただ、ここで接するお客様の雰囲気には、痺れるものがありました。老舗店でもあるので、お金持ちの格が違います。リッチな方は服装とか見た目には地味なトーンでも実はすごいおしゃれだし、いろんなところにお金を使われているのだろう、静かな気品を感じます。お話のしかたひとつとっても、そのへんの有名俳優より、ずっと格上です。勉強になります。

お金が安定して、考えるのは次のステップ

さすがテレビ番組のプロデューサーともつながっているようなお店の高額バイトだけあって、お給料の方は安定しています。指名が続けば立派な高収入になります。入店当初は無料の寮を使わせてもらったんですが、2ヵ月後には次のマンションに移る準備ができていました。とてもありがたいことです。

オーナーの知り合いの紹介だからといって、まして俳優だからといって、特別扱いを受けているわけではありません。ここにいるキャストみんな、大体対等にお店には見られていると思います。そういう意味ではフェアで働きやすいお店です。僕も収入が安定してきたので今後はこちらで活動の幅を広げられるよう、自分でもオーディションを受けまくるつもりです。