H・A（25歳）

独立がうまくいかず資金繰りに大苦戦

物心ついた頃からシングルマザーの母親に育てられた自分は、他にも兄弟がいるし、金銭的にあまり苦労はかけられないと思って、高校卒業後はすぐに就職。ビル掃除の会社に入社しました。清掃業で覚えることなんてあるのかと思われるかもしれませんが、掃除のノウハウはもちろん、営業のやり方や、スタッフへの対応、シルバーさんの使い方なんかを勉強しつつ、2年ほど修行した自分は、二十歳の時にフランチャイズ制度を利用して、独立することにしました。

ですが、思っていた以上に営業に苦戦してしまい、集客がうまくいかず経営が先細りになってしまい、借りていた事務所の家賃すら乏しくなってしまう状態になってしまいました。そんな、資金繰りが悪い時に不定期で稼げる出張ホストの求人をサイトで見つけて、とりあえずの生活費だけでもと、応募してバイトをするようになったのが、ラッキーの始まりでした。

出張ホストの営業力がすごく勉強になりました

会社と言っても、まだ自分とバイトの仲間2～3人だったため、昼間は清掃業の営業に走り、夜は出張ホストの仕事をして、生活費がまかなえればいいやと思っていたのですが、思っていた以上に高収入で、生活費だけではなく、会社の維持費や社員の給料の補填にも使うことができて本当に助かりました。

それに、新宿という場所柄もあり、お客様への地道な営業がうまく行き、指名も多く入るようになると、ビル清掃を探しているオーナーを紹介してもらえたり、接客・営業のノウハウを教えてもらえたりと、バイトと言うより「勉強会をさせてもらっているのかな？」と思うほど、充実した時間を過ごせるようになりました。

そのおかげもあって、ここ半年でようやく自分の会社が軌道に乗り、うれしいことに従業員の応募も増えて、経営が安定するようになりました。

いざとなったら高額バイトができるという安心感

シフトがかなり自由なので、元々不定期でお願いしていましたが、昼の仕事の安定とともに夜が忙しくなりバイトに行ける日が少なくなってしまい、高額バイトでしたが、来月いっぱいで出張ホストの仕事を辞めることになりました。

「また資金繰りが悪くなったらいつでも出戻りオッケー」と言ってもらえて、会社経営者としては、とても安心しています。はじめは資金繰りに苦しくなって、わらをもつかむ気持ちで働いていた出張ホストのバイトですが、高収入だし、勉強にもなったし、何より仲間もお客様たちもよい人たちばかりで、少しだけ残念な気持ちもあります。

ですが、なんとか今の事業だけでやっていけるようにこれからも頑張っていきたいと思っていますし、お客様や仲間たちに笑顔で卒業と言ってもらえるように、あと1ヶ月、全力で頑張っていきたいと思います。

バイトでこんなことを言うのはちょっと違うのかもしれませんが、「お世話になりました」と心から言えるバイト先を見つけることができて、本当によかったです！