T・Ｍ（21歳）

俳優志望の20歳ですが夢のためにバイトをしています

僕は、そこそこ有名なので名前は出せませんが、舞台を中心に活動している某俳優の息子です。父の背中を見て育ち、自分も20歳になり俳優になりたいと思い、その旨を父親に告げたのですが、喜ばれると思っていた予想とは裏腹に父は激怒。「不安定で、才能だけが物を言うこの世界でオマエがやっていけるわけがない。少しは苦労して、生きることの大変さを味わえ」と言われ、その日から一切の援助を断ち切られてしまいました。もちろん、芸能プロダクションへの紹介も一切なし。しかも追い打ちをかけるように、家を出てまずは苦労をしろと、家を追い出されることにまでなってしまいました。

確かに、高校卒業後、ぼんやり役者になりたいなと思っていたので大学にも進学せず、だからといって芸能系の学校に行くわけでもなく、知り合いの小さなモデル事務所に登録し、お遊び程度にチラシの撮影や、エキストラでバイト代をもらっていたような状態でしたので、父から見たら甘えているように見えたのかもしれません。

そこで家を出て、東京に拠点を構えなくてはと、今は東中野のぼろいアパートに俳優仲間と同居中。バイトをしながら小さい劇団に所属して頑張っているのですが、バイトの掛け持ちで睡眠時間が少なくなって、体力が落ちてしまい演技にも身が入らない状態でした。

このままでは父親を見返すどころではないと稼げるバイトを探す日々

このままでは俳優になるどころではないし、これからの俳優の活動を広げるためにも、短時間で高収入が得られるけれども、オーディションなどを優先できるような、都合の良いバイトはないか探しに探しまくって、出張ホストの求人サイトにたどり着いたのが一ヶ月前でした。そのときは、毎日の食生活がもやしと、母親がこっそり送ってくれるお米のみの日々だったので、本当に九死に一生を得たような気持ちでした。

出張ホストのバイトは、入店してまだ1ヶ月なんですが、初日から指名をもらえて、不定期なシフトながらも２週間目からは安定して稼げるようになり、底辺から少し這い上がれた気分です。

生活が安定したのでここから父を見返すターンに入りたいと思います

出張ホストの仕事のお陰で、他のバイトは全て辞めても大丈夫になりましたし、そもそもが高収入なので、出張ホストの仕事自体も週3程度に減らしたんですが、それでも収入は格段にアップし、今は体を鍛えたり食事のクオリティも上げて健康面にも気をつけられるようになりました。

これからは役者の仕事に本腰を入れて取り組み、なんとかここから這い上がって、一流の俳優を目指して父親を見返す日が来るようになれればと思っています。出張ホストの仕事も、お客様によってその役を演じるような思いで日々仕事をさせてもらっているので、役を演じる技術もメキメキ上達しているような気がして、一石二鳥の仕事を見つけることが出来たと思っています。