S・N（21歳）

致命的なこの性格を直したいと思って

人見知り、これだけで人生半分は損失していると思います。自分は実際そうです。これまでこういう性格で、本当にどれだけの機会を逃してきたのか…。考えてみると暗い気持ちになりますが、「もういい加減そういうのやめろよ」と、あるとき自分の声が聞こえた気がしたんです。

本当にそれは仕事のときにふと、だったんですが、年下の新入りの人に話しかけられて、なんか、目を見て話せなくてモゴモゴ…という瞬間があり、これを機に僕ももうハタチを過ぎてこれはひどい、となんかスイッチが入ったんです。これは荒療治でもなんとかするしかないぞ、そう思って、あえて自分と真反対のような何かをやってみようと意志を燃やしました。

自信をつけるため、やるなら厳しいことだって覚悟のうえの高額バイトだな、と腹をくくって求人を探して、応募したのが出張ホストです。その気になれば新宿には仕事が溢れていると知ったのもそのときです。自分は今まで地味な事務仕事ばかりして、せっかくの東京という日本の中心地で何をいていたんだろうと、僕は僕で人生を狭くしていたんだと、呆然とするような気持ちでした。

最初の戸惑いを乗り越えたきっかけは肉体改造

当たり前ですがひどい人見知りですから、いきなりこのような世界に溶け込むこともできません。本当にちょっとした会話するのも緊張してガチガチだったので、その頃に指名していただいたお客様には、今思えば恥ずかしい限りです。

転機となったのは、M-1グランプリでした。優勝者のボケの方が、「この世界のテッペンが鍛えてるんだから、その下が鍛えないなんてありえない」と言っていたんですね。なんかそれが妙に印象に残って、自分の改造って肉体からという面もあるんじゃないかと考えたんです。その足で24時間のジムに申し込みに行って、そこから毎日、仕事終わりに副業をしながら、空いた時間で筋トレを始めました。

人間わからないもので、筋肉がつくと、「俺、いけるんじゃね？」となんか自信みたいなものが、実際につくんですよね。そこからは、自然にお客様の目を見て話すことができるようになりました。そうすると、自然に不器用ながらも会話もできるようになってきて、リピートも二回、三回、と続くようになってきたんです。

自分を変える機会をいただきありがとうございます

まだすっかり克服したとは言えないですが、ずいぶん以前までの性格は直すことができたと思います。自分の本業の方でも、ビクビクすることはほとんどなくなって、むしろある範囲ではリーダーシップを発揮しながら、仕事を任されるようになりました。

これもひとえに、この仕事と、筋トレの成果だと思います。たぶんこれまでの自分は、自意識過剰すぎたんです。もっと、ある意味適当に、肩の力を抜いた方がずっとよかった。

今ではそう思いなおして、モテたいという素直な気持ちも出し、ちょこちょこそのような活動もしております（笑）前向きな気持ちにさせてくれた、いろいろな出会いに感謝です。