J・S（21歳）

東京で風俗業をやっているうちに…

地元は静岡で、まあ、今考えると恥ずかしいようなことばかりやっていました。格好つけて言うと元不良というやつです。でも、あるきっかけがあって、18歳で更生しました。それからは勉強もちょっとやって大検をとって東京に出てきて、興味があった風俗業を転々としていました。

一番長くいたのは、新宿のキャバクラですかね。そこで半年くらいやっていたときに、同じ界隈で出張ホスト店という仕事があることを知り、なんか面白そうだな、と興味を惹かれました。それまではボーイで、人を立てることを仕事としていたので、自分がキャストとして何ができるか、そういう視点がなかったんです。

それが出張ホスト店なら自分が接客するのってどんな感じなんだろう、と思って、求人募集に応募してみました。修行というと何ですが、実際、お客様と触れ合う人間の気持ちというか感覚がわからなければ、水商売は長く続けられないですよね。そういう意味もこめて、やってみるか、と思ったんです。

楽しい経験と「接客する立場」も知る

自分としては、まあ打ち明けていうと、いつかこの手の店を自分でやりたいという経営者の視点を持つために修行のつもりで飛び込んできたわけですが、実際、いろんな意味で良い経験ができています。とりあえず、この出張ホストという業のモデルが、本当によく考えられたものだということ。そしてご利用されるお客様のお金の使い方なども、やっぱり違う…。

自分がキャストとして指名されると、意外にそこは気楽だったりしますね。まあこれは経験がものを言っているというか、ある程度キャバクラのボーイもお客様と接する仕事ではあるので、その延長という感覚でいけます。もちろんホスピタリティは高く持って、こちらがリードするかたちで楽しんでいただこう、というスタイルは忘れてはいけないのですが。

そういう部分を含めても仕事は楽しいです。高収入は絶対的な魅力ですが、他にもいろいろ、富裕層のお客様と付き合うことでしか経験できないこともたくさんあって、なんか自分って世界が狭い人間だったんだな、と思ったり。そういう意味でも視野が広がっていると思うのですが、どうなんでしょうね。

ゆくゆく独立するために

キャストとして入った自分ではありますが、この実績ある出張ホスト店で経営のノウハウを学ばせてもらうために、実は最近はマネージャーに相談して、スタッフ業務も勉強させてもらいっています。そんなことも結構親切に教えてくださるから、そういう意味でも良いお店ですよね（笑）なんだか都合いいことばっかり、自分の思いを優先させてもらっているわけですが、嫌な顔ひとつされません。

何かするなら新宿かな、というイメージは持っています。競合も激しいでしょうが、逆にいろんな層からお金が集まりやすい場所ではあると思うので…それに、こういう風に成功しているお店がこのエリアにあることが、僕のゆくゆくの独立の成功も保証してくれる気がします。

お客様が定着していて、こんな世の中でも安心して働けるのも大きいです。キャストとしても、経営側のお手伝いをさせてもらう方としても、もっと居続けたくなるお店です。