山谷の元日雇い労働者が出張ホストに転身して人生変わった

W・A(22歳)

ドヤ街で生活していました

僕は以前まで、日雇い労働者でした。明日どうなるかもわからない、本当にそんな生活でした。山谷で暮らしながら、その日の仕事の列に並ぶ。手配師に声をかけてもらうのを待つ、そんな感じ。若いのに何をやっているんだろう、と自分で思ってたし、実際、おっちゃんたちにも「おまえなんかまだまだ先があるだろ」と言われたりしていましたね。

ただ僕がこうなったことにも経緯があるんです。日雇い労働者になる前は、普通の生活をしていたんです。それが実家の親と、「おまえいつまでフリーターやってるんだ」ということで一度すごいケンカをしてしまって、その勢いで貯金数万だけ持って東京に出てきました。都会に来てみれば、まあなんとかなるだろう、という安直な考えをしていたんです。

ところがそういうわけにも行かず、学も何もない、しかもブランクだらけの自分の履歴書はあらゆるところで突っ返されて、もう日雇いしかないな、と。けれど、そんな日々にふっと光が差したのは突然でした。あるとき、たまたまネットカフェで「新宿 高額バイト」と検索してみたら、オッと思うような、出張ホストの求人が出ていて即応募してみたんです。

生活が一変しました

このサイトを見て面接に行き、「底辺生活を脱出したいです」と縷々陳情したところ、「そういう人をこのお店では何人も受け入れている。人生これからだぞ」と励ましていただき、入店させてもらいました。しかも、その際、小ぎれいにするための服とかその他の資金を同郷のマネージャーが貸してくれて、「一緒にがんばろうぜ」と。

それから約半年くらいでしょうか。おかげで身も心もすっかり転身して、今はこの仕事に一本、まっすぐ邁進する毎日です。最初の頃は寮に入れてもらって生活の足場を固めて、日々の接客で「こういう雰囲気か」と感触を掴み、2ヶ月目くらいからリピートもつくようになりました。

もちろん最初に借りたお金と服は返して、3ヶ月目には寮を出ることができて、今はそこそこのマンションで小ぎれいな一人暮らしをしています。まあ不満のない生活を送りながら自然とお金が貯まるようになったきたので、今後のことも考える余裕が出てきました。

プログラミングを勉強しようかと再決心

実は高校時代から僕が唯一興味を持っていたのは、ゲームを作ることです。だからちょっとだけプログラミングを勉強していたのですが、続かず…。ただ、今でもスマホをいじりながら、「自分ならもっと面白くできるのに」とか思うので、じゃあ一丁学校に通いなおして頑張ってみようかな、と考え、ヒューマンアカデミーに入学して今は猛勉強中です。

一時期は本当にどうなることかと思った生活でしたが、いろいろな縁や助けがあって転身し、ここまで這い上がることができました。実家の親にも、先日連絡して、一応、謝罪しました。

ただマネージャーから、「一番おまえを世話してくれたのは誰だ?」と言われているので、一度、ちゃんとした土産物でも持って、きっちり謝らなければならないのかな、と思っています。いつか故郷でゲームを作って、在宅で稼ぐことができたら、と未来を描いています。

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