D・S（23歳）

ロボットみたいな夜勤生活から抜け出して

僕は高卒で愛知県の自動車部品組み立ての夜勤バイトをずっとしていました。本当に去年まで4年間ずっと。退屈な仕事だし、夜勤のわりにそんなに給料も良くないしで、なーんにもないような日々を暮らしていました。そのことに疑問を感じたこともほぼなかったです。

ただ、連日の疲労がたたってちょっと寝坊してしまい、仕事に遅れてしまった日が一日あって、その日に上司にすごく怒鳴りつけられたんです。その場では「はい、はい」と言っていましたが、「これまで皆勤で真面目にやってきて、一回寝坊でこんなこと言われる筋合いあるか？」と、やっとそのときになって、なんだか理不尽な思いをさせられている気分になりました。

今振り返ると、本当にロボットみたいな毎日です。夜寝れないので体のリズムも明らかに崩れて肌もボロボロになっていたし、「本当に俺はこの仕事を一生続けるんだろうか」と真剣に考えてみたら、答えは当然NOでした。とりあえずこの愛知の地元を出て、東京で何かしよう、と転職を思い立ち、求人を見ていたら、このお店の募集をたまたま見つけたんです。

無料の寮が最初は助かりました

夜勤ばかりの工場勤務時代に大体の友達を失ってしまったので、それでなくても東京に頼れるツテなんてないので、「無料の寮付き」という出張ホストの待遇にはすごく心が惹かれました。迷わず応募。その時点で水商売がどうとか、俺には向いていないんじゃないかとかは、あまり考えないようにしていました。そんなネガティブ思考、可能性を潰すだけだと思ったからです。

面接はかなり緊張して行った覚えがあって、正直、そのときのことは記憶にありません（笑）でも無事採用してもらうことができ、寮の手配もすごくスムーズにしてもらうことができました。本当に引っ越し費用とか何もなく、ほぼ体一つで東京に出てきて寮に入りました。

仕事ははじめてのことばかりで緊張しましたが、「とりあえず今を乗り切ることだ」という風に考えて、その日その日の仕事をこなしているうちに慣れました。無料の寮のおかげで生活費も浮かせたし、最初の頃は本当に助かりましたね…おかげで、頂戴する高収入のほとんどを貯蓄に回すことができて、転職してから3ヵ月後には一人暮らし資金ができていました。

みなさんの優しさに救われました

工場勤務ではあんなに真面目に勤務していたのに、ちょっとしたことで怒鳴りつけられて本当に自分は人間扱いされていないんだなと、裏切られたような気分でした。あんな会社には、早い段階で見切りをつけることができてよかったです。そうはいっても、4年くらいを無駄にしたわけですが、過ぎたことを悔いても仕方ありません。

このお店ではマネージャーやお客様の優しさに本当に救われたと思っています。今でもちょっと行き詰まっているときには店舗スタッフさんは親身に相談に乗ってくれるし、すごく温かみを感じます。

なんだか自分が新宿で出張ホストみたいな高額バイトしているなんて、それまでのことから考えたらありえないみたいな感じがしますが、今はこの仕事を全面的に受け入れて楽しんでいます。あのときご縁があってよかったです。これからもよろしくお願いします。