F・T（23歳）

若いのにすごい老け込んだ気分でした

自分はバツ1で今23。20ででき婚したんですが、まあまあ仕事も頑張っていた方だと思います。けれど、なんか相手が子どもできてから本当に金のことで細かいこと言うようになってきて、甲斐性がないとか、他の男の方がずっといいとか実名も挙げて元カレの名前とかも言ってくるので、向こうの親も巻き込んで揉めて1年で、ほとんど最悪な形で離婚しました。

子どもは可愛いんですが、養育費の支払いは相当キツいです。その頃まだ22とかで、本当に何十年も老け込んだみたいな気分でした。他のヤツ見ていると、能天気に学生とかやってるくせに、俺は何してるんだろう、と…。いろいろと、道を間違えちゃったのかなと思っていました。

おまけに会社の方も経営が傾いてきて、ヤバい感じに。ちょこちょこ夜勤の高額バイトをしながら、なんとか稼いでいましたが、何せ養育費がキツくて、そろそろごまかしきれない感じになってきました。とにかく高収入の稼げる仕事探さなくちゃ、と思い立って、いろいろとスマホで情報を見ていたときに、この新宿の出張ホストの求人募集にめぐり合ったんです。

しっかり稼げて、考え方も変わりました

バツ1で養育費に苦しんでいる、という事情は面接のときにも話しましたね。そのあと「リアルすぎて引かれるかな」と後悔しましたが（笑）、まあなんとか採用してもらうことができました。でも、その時点まで、実際出張ホストがどんな仕事かも想像できていなかったので、どこか自分は抜けてるんだろうな、と今では思います。

そんなわけで最初の何回かはそれは失敗続きでしたね（笑）まあ何を持って失敗というかにもよりますが、お客様の表情を見ていると、大体の感じはわかります。けれどお店からはちゃんとしたお給料をもらえるわけで、これまでと比べると経済的な余裕は一変しました。

「こんなハンパな自分が、これだけの金もらっていいのか」と、そのときはじめて別れた相手に甲斐性なしと言われていた意味がわかった気がします。僕って本当にこれまで、仕事のことテキトーに考えていたんだな、と。言われたこと言われたままやるだけでは進歩も成長もありません。当然出世もない。それじゃ家庭も維持できないし、子どもの未来もない。

今は地方公務員の道を目指して勉強中です

そこからは先輩キャストや店舗スタッフさんにいろいろと教えてもらって、一年、やってきました。服装とか言葉遣いにも気をつけて、今ではほとんどのお客様に対し、満足していただける接客ができるようになったと思います。リピートで指名してくださる方も増えてきました。

はじめてまともに働いた気分です。指名も安定して貯金ができるようになってきたので、滞納していた養育費もきちんと払いました。「どうしたの？」とビックリしていますね（笑）

将来、成長した子どもに自分の姿を自信を持って見せられるように、今は地方公務員になるためのとある資格の勉強をしています。根気を持って頑張ってやり遂げるつもりです。