K・K（23歳）

夢どころかその日の生活費さえままならなかった時

地方からバーテンダーを目指して東京に出てきたんですが、折悪く新宿に住みだした頃からコロナが流行しだして、バイトをしていた飲食店が軒並み休業、そして閉店…。飲食以外の仕事に就いたことのなかった僕は、コンビニや事務職に面接しても軒並み落ちてしまい、気がつけば無職になってしまいました。

貯金も使い果たして、食べる物はモヤシや、値引きのお弁当がご馳走のような日々。住んでいたアパートの家賃も大家さんのご厚意で待ってもらうような状態になってしまって、将来の夢どころか日常生活も困窮する有様でした。

そんな折にネット検索で出張ホストの高額バイトを見つけ、藁にすがる思いで応募してみることにしました。

親切なマネージャーに感謝

ギリギリの生活だったので、思い切りましたが、やっぱりホストと聞くと怖いイメージがあったり、ノルマがキツイんだろうな…なんて想像してしまい、少し尻込みしていたのですが、面接してくれたマネージャーさんがとても親切な方で、不安なところなどはしっかりと答えてくれたので安心しました。

それどころか、恥ずかしながら面接の時は全財産が財布に入っている１万円しかない状態だったのですが、そのマネージャーさんがとても心配してくれて、驚くことに気前よくお金を貸してくれたんです！！

面接にも無事通り、すぐにでも仕事をしたかった僕は翌日から仕事に入ったのですが、なんと初日から指名が入り。お陰で３日ほど仕事をしたら家賃分の収入になったので、ため込んでいた家賃も払うことができ、かなり救われました。

やはり、普通の飲食店でバイトをしていたのでは考えられないほどの高収入で、今までの生活のツケがある人間には本当に助かりますした。

夢は諦めずに東京に残ります

新宿はやっぱり生活費も高いし、一時はもう実家に帰ろうかなと毎日のように悩んでいましたが、今ではここに住むこと以外考えられません。この仕事のお陰で家賃も払えるし（実はちょっと良いところに引っ越そうかなとも考えています）、それに前よりも良い物が食べられるようになりました。

想像していた怖いことももちろん起こらず、ノルマに追われるようなこともなく、むしろマネージャーに人生相談をしてもらったり、お客様からもかわいがってもらえるし、時には、地元にいるときでは考えられなかったようなプレゼントをいただいたりして、とても感謝しています。

お酒や人が好きですし、いつかバーテンダーになって自分の店を持つという道は諦めていませんが、今回のコロナ禍のように、いつ何があっても親に頼らず東京で生きていけるように、しばらくはこのお店で頑張って、生活基盤を築いていきたいと思います。